今回は今年7月1日から導入が発表された東海道新幹線『のぞみ』の
新型車両N700Sに関してご紹介します。
2020年8月に行われる東京オリンピック・パラリンピックにあわせての導入となった
新型車両N700Sですが、どんな車両なのでしょうか?
また、現在運行しているN700Aと比較してどのような違いがあるのでしょうか?
そんな細かい部分までご紹介していきます。
新型N700Sを語る前に新幹線『のぞみ』の歴史を知る
それでは新型機N700Sの性能を語る前に、
新幹線『のぞみ』の歴史に関して少しだけご紹介します。
1992年(平成4年)3月14日にJR東海により、当時運賃の値下げなどにより利用を伸ばしていた
航空機に対抗するため、それまでの「ひかり」よりさらに速い種別の列車として
新幹線『のぞみ』が新たに誕生しました。
東京 – 新大阪間を従来の最速列車よりも19分早い2時間30分で結び、
運行車両には東海道区間の当時最高速となる270km/hでの運転に対応した
第三世代車両である300系を充当し、特急料金体系もそれまでの「ひかり」「こだま」とは
別体系のものを用意するなど、それまでの新幹線列車とは別格と位置づけられていました。
翌1993年にはJR西日本との共同運行により山陽新幹線区間でも運行を開始し、
以後東海道・山陽新幹線における最速達列車として位置付けられるようになりました。
充当される車両も東海道・山陽新幹線での新型車登場の度に優先的に充当されており、
最高速度も運行開始当初の300系の270km/hから500系・N700系の300km/hまで向上しています
列車名の『のぞみ』はJR東海の社内で仮称「スーパーひかり」の本採用を回避すべく
別の名称を用意したもので、かつての修学旅行列車の名称だった「きぼう」を
アレンジする形での命名ともいわれています。
その後、名称決定委員の一人から、
「日本国鉄の列車の名前は歴代全て大和言葉でつけられてきた」
とのアドバイスを受け、委員会の最有力候補となっていた「希望(きぼう)」を
大和言葉にすると「のぞみ」になると進言したものが採用されたとのことです。
2020年7月1日に運行予定N700S そのスペックは? N700Aとの違いなど
それでは本題のN700Sのスペックをご紹介します。
新型車両の「N700S」とこれまでの車両の外観の変化を比べてみます。
先頭はこれまでの車両と比べると若干、左右にエッジを立てた形状になっています。
「デュアルスプリームウィング形」という名称で、騒音や空気抵抗をより低減させます。
また、ヘッドライトには初めて「LEDライト」が採用されました。
そして車体の横には金色で描かれた「N700S」の文字と、
“最高の”を意味する「Supreme」の頭文字から付けられた
末尾の「S」をイメージした青色のラインが走っていのが特徴です。
まず利用者にとってうれしいのがコンセントの増設。
『N700A』までは、窓際にしかありませんでしたが、
すべての座席のひじ掛けに取り付けられています。
ここが『N700A』との大きな違いでもあります。
さらに、リクライニング機能では、より快適な座り心地を追求した結果、
背もたれに連動して座面が数センチ沈み込むようになっています。
普通車には、従来1箇所だった車いすで乗車できるスペースを2台並べる配置に変更。
客席数を変えずに車いすで入れるスペースを確保するため、
場所を取らずに転回できる仕組みを採用した座席を新たに開発、導入しています。
また、セキュリティー対策も強化されています。
これまで車両の両端だけだった防犯カメラを天井に増設し、
1両当たり6台で監視するということです。
一方、東海道新幹線は、ことし5月中旬から大きいスーツケースなど
3辺の合計が1メートル60センチを超える「特大荷物」は、持ち込むのに予約が必要になります。
これも稼働率100%近くが予想される東京オリンピックの時期に合わせた対応とも言えます。
そしてなんといっても『N700A』に比べて車両としてのスペックも大幅にアップしています。
まず速度です。
営業最高速度は時速285キロとこれまでと変わりませんが、
試験走行では時速360キロを超えるスピードを記録しています。
さらに、地震など異常時への対応が強化されています。
ブレーキシステムを改良し、地震発生時のブレーキ距離は
最も新しいN700Aよりも5%短縮されています。
また、自然災害などで停電しても自力で走行できるバッテリーを搭載していて、
停電でいったん止まっても避難しやすい場所まで簡単に移動することができます。
N700SへのTwitterの反応は?
それでは、新型機N700SのTwitterでの反応を見てみましょう。
鉄道知識が特にない人「N700Sって何が凄いの?」
伝わりやすい鉄ヲタ「全席にコンセント付くからWi-Fiと併せてネトフリだろうがアマプラだろうがYouTubeだろうが見放題」— きしてる@ここに書くネタが無い (@aim120d) January 5, 2020
コンセントとWifi環境の充実はビジネスユーザーはもちろん、
遠出の旅行客にも求められていたものの最たるものです。
これはユーザビリティーにあふれた車両といえますね。
8643A
N700S J0編成
8:58豊橋駅13番線着
9:03発
側面表示が無く、16号車運転席に見慣れないものが… pic.twitter.com/bZIEp5uRbu— えぼ (@ebo0630) January 6, 2020
どうやら、全国の鉄道ヲタクが試運転の情報をTwitter上で情報交換しているようです。
正直新型機ともなれば試運転の現場などマニアにとっては一番見たい瞬間かも知れません。
現在開発中!?次世代型新幹線 ALFA-X はどんな車両?
それでは最後に、西日本ではなくJR東日本で開発されている
新型機ALFA-Xの情報を少しだけご紹介いたします。
ALFA-XはJR東日本が2030年度までの完成を目指し
約100億円をかけて開発した試験車両です。
昨年5月から、営業運転が終わった夜間に1週間に2回程度、
仙台駅と新青森駅の間で試験走行が行われていて、
再来年3月まで続けられる予定のようです。
最大の特徴は先頭車両の形状です。
いわゆる“鼻”の部分は22メートルあり、車両のおよそ8割を占めています。
この形状は、高速でトンネルに入った際の騒音の原因となる
圧力波を抑えることを追求した結果のようです。
さらにスピードも大幅に向上させる方針です。
東北新幹線の営業最高速度は、新幹線の中で最も速い時速320キロですが、
ALFA-X では時速360キロまで引き上げることを目指しています。
このほか、ALFA-Xでは高速走行しても安全運行できるよう、
地震時により早く安全に止まる装置などが搭載される予定のほか、
車両の電子機器の細かい状況を地上からモニタリングできるようにすることで、
車両のメンテナンスを低コストでできるようなシステムにするようです。
まとめ
今回は東海道新幹線のぞみの新型車両N700Sに関してご紹介しました。
新型機の導入によって、我々の生活は更に豊かになり、
オリンピックでの活躍ももちろん期待されます。
新型機の運行導入予定は2020年7月1日です。
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